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「悪いな、木崎。俺はこれからもずっと偉くなりたいんだ。だから賞は代わりに頂くぞ。」

「東條・・・・・・きさまぁ・・・・・・!!!」

「一応、感謝はするさ。ありがとよ・・・・・・相棒・・・・・・・。そして・・・・・・
・・・・・さようなら・・・・・・。」

「きゃっ・・・・・・・・きゃあああああああ???!!!」

高校生の「私」はその現場を目撃してしまい、恐怖のあまり震えながらも大声で叫んで
しまった。それにより彼は瞬時に「私」のほうをみた。

「ん?・・・・・・・・なんだ、お前は・・・・・・?ふふふ・・・・・オンナ・・・・・
・・・・・ちょうどいいときにきたな。」

彼は不気味な表情を浮かべて高校生の「私」に近づく。

「やっ・・・・・・やだああああっ・・・・・・・こないでっ・・・・・・・・。」

「おいおい、なんで逃げるんだよ。」

「ひっ・・・・・・・人殺しっ!!」

「人殺し?ああ、コイツのことか、死にはしないさ・・・・・・・・ただ・・・・・・
お前は別だがな・・・・・・・・。」

彼はそういいながら高校生の「私」に近寄り、「私」を始末しようとした。私はそれを見
て「私」自身を助けようとしたのだが身体が透き通り何も手出しすることが出来なかった。

「私」は後ろに振り返り走って逃げようとしたのだが、後ろから誰かに身体を押さえら
れた。強烈な力が「私」の身体を握りつぶす。

「私」は、もがき苦しみながら必死にも後ろで「私」を苦しめている悪魔の姿を見よう
とした。そこには黒いフードをまとった男性だった。顔ははっきりとはわからないが私
の見覚えのある人間のような気がした。

「くっ、くる・・・・しい・・・・・・はな・・・・・してっ・・・・・・・・。」

その男は「私」の口元に睡眠薬のようなものを嗅がせ、気絶させた。「私」は深い眠りに
付いたようで起きようとしない。

私もこの頃のことが不確かだった・・・・・。私の今までの記憶がどこか間違っている
ような気がした。

「へへへ、このオンナ、すぐに気絶したな、ありがとよ・・・・・・吉成・・・・・。」

『吉成?・・・・・・・吉成って・・・・・まさか?』

すると後ろにいるその男は黒のフードをとり、顔を現した。そこには私の知っている男性
だった・・・・・・。それは私の主治医である吉成であった。私はそれを見てしまい、
驚きのあまり声が出なかった。

『吉成さん・・・・・・どうして?』

「ふぅー、間に合ったみたいだね。」

「いやぁー、ご苦労だったよ、それじゃあ、研究室まで運ぶぞ。」

彼と吉成のやりとりはしばらく続いて「私」と木崎という男の身体を横に並べた。そし
て彼と吉成は黒いフードに着替え私たちを近くにあるダークブルーのワゴン車まで運び
そこへ乗せた。そしてエンジンをすぐに走り去った。その場には私だけが取り残された。

だが、次の瞬間、再び私の周りは光に包まれ辺りは見えなくなった。そして気が付くと
辺りには試験器具、試薬などがたくさんありどうやら、研究室の中のようだ。

前方を見るとベッドが二台用意されている。私は気になりベッドに近づくとそれぞれの
ベッドに木崎と、高校生の「私」が寝かされていた。

『こっ、これはいったい?』

私はそれを見て困惑し何がなんだかわからなくなっていた。
と、そのとき・・・・・扉が開く・・・・・・・。誰かがこの部屋に入ってきた。姿を
覗くと、そこには彼と吉成が現れた。二人は白衣を着ており、何かの実験をするようだ。

「さて、さっそく始めるぞ。吉成。」

「はい、かしこまりました・・・・・・・・東條さん・・・・・・・。」

彼は高校生の「私」に近づき服を脱がし始めた。ブレザー、リボン、ブラウス、ブラジ
ャー、スカート、ショーツと・・・・・・・・「私」の身につけている服をすべて手際よ
く脱がした。

『キャッ!!・・・・・・・やめてっ!!』

私は全裸にされた「私」をみてしまい、心の底から恥ずかしい気分になった。

「このオンナ、いい身体してるじゃないか・・・・・・・・。おい、吉成。少しくらい
なら犯してもいいぞ。」

「本当にいいんですか?東條さん。」

「ああ、大丈夫。構わないさ。・・・・・・・どうせ、このオンナの命はもうおしまいだ。」

「それじゃあ、やらせていただきますね。」

「ああ・・・・・。」

『やっ、やめてっ!!吉成さんっ!!』

私の声は聞こえず吉成は「私」はズボンのファスナーを開き、その中から男性器を取り
出した。「私」をうつ伏せにさせてから、その上から吉成が乗り男性器を突き刺す・・・・・。

『やっ・・・・・・・やめてええええええっ・・・・・・!!!』

私は両手で顔を隠し見ないようにした。

『こんなことがあったなんて・・・・・・・。』

と、私は嘆き不快に思いこの現実を見たくないと思い、しばらくの間目を閉じていた。

「あああっ・・・・・・いいっ・・・・・・・・いいいっ・・・・・・・あああああっ!!!」

どぴゅっ、どぴゅっ、どぴゅっ!!!

大きな喘ぎ声と悪夢のような音が聞こえ、どうやら終わったらしい。私は少し目を開け
ると無残にも精液まみれになった哀れな「私」の姿がうつっており、さらなる不快が私
の中で襲い始め、吐き気が思想になった。

「ははは・・・・・・このオンナ・・・・・・これだけ犯されてさぞかし気持ちいいん
だろうな。」

吉成はズボンの中に再び男性器をしまい、テーブルに置いてある注射、薬品などを持っ
てきた。

「よし、吉成・・・・・・・・始めるぞ。」

「はい、かしこまりました。」

吉成は「私」の身体に日焼け止めのオイルのようなものを全身に渡り塗った。それから
注射器に不気味な黒みかかった赤色の溶液を「私」の腕に注射した。

「これでよし・・・・・・・。あとは待つだけだな。」

二人は「私」の身体を観察しながら一時間ほど待った。時間に経つにつれて「私」の身
体が徐々に乾いていくような気がする・・・・・・・・・。

そしてさらに一時間後、「私」の身体は柔らかい状態になっていた。身体の中にある骨とか
血液が抜き取られ皮膚(皮)だけになってしまったように感じた。二人は「私」に近づき
肌に触れた。手を持ち上げるとゴムのように柔らかいように感じ取れた。

皮となった「私」は彼らが強く引っ張ると簡単に身体の部位が取れてしまった。さらに
その身体の部位を隣のベッドに眠っている木崎の身体に装着させる。「私」の皮はゴムの
ように伸びるため、木崎の身体にマッチするようになっていた。そしてすべてを嵌め込
むと、木崎という男はどこからどう見ても「私」になっていた。しばらくすると身体の
サイズも「私」に近づき、完全に「私」になってしまった。木崎は「私」の皮を着せら
れたようだ。

それから一時間後、強制的に「私」になってしまった木崎は目を覚ました。

「ん・・・・・・んん・・・・・・。ここは・・・・・・・。・・・・・・・・ああああ
あっ!!!」

「ようやく、目覚めたようだな、木崎。ほら、鏡を見てみろ!これがお前の今の姿だ!!」

「なっ、これは・・・・・・・・!!!東條・・・・・・・・・お前、あの薬を俺に使
ったのか・・・・・・・。」

「ああ・・・・・・・この生体研究は素晴らしい。このオイルで生物の皮膚(皮)を保
護し、この溶液を体内に送ることで身体の中身が解けて、その生物は皮だけとなる。こ
んな素晴らしい研究、他にはないな。俺は偉くなりたいんだ。」

「それが理由でこんなことを・・・・・・・。なんてやつだ!!」

「ふふふ、それに一度装着すると脱げない。そのオンナは死滅した。お前には今後その
オンナとして人生を送るがいい・・・・・・可愛がってやるぞ!!」

「ふざけるな・・・・・・!!!・・・・・・・・・んぐっ!!!!」

吉成は棍棒で木崎の頭を叩いた。木崎はその場でぐったりと倒れた。

「よし、最後にお前に最高のプレゼントだ。」

東條は「私」の制服を荒らし、生徒手帳を取り出し「私」の身分について調べた。それ
から小さな玉を取り出して木崎の目の前にかざした。

そして・・・・・・・。

「お前の名前は山城涼子・・・・・・・・・高校三年生だ・・・・・・・・・学校の帰
りに友達と寄り道をしていてすっかり暗くなり家に帰ろうとしたのだけど、その途中で
後ろから黒いフードを着た男に捕まり強姦されそうになったところを偶然に通りかかっ
た俺に助けられたんだ・・・・・・。」

東條は木崎にそういうふうにして言い聞かせた。

すると・・・・・・・。

「私は・・・・・・・山城涼子・・・・・・・・・・・強姦された・・・・・・・・・
助けてくれた・・・・・・・・。」

どうやら、木崎は催眠にかかってしまったようだ。今後は自分が山城涼子と思い込むよ
うになるだろう・・・・・・・。

「ははは、東條さん、うまく生きましたね。」

「ああ・・・・・・これで証拠隠滅だよ。ご苦労だったよ、吉成くん。それじゃあ、約
束どおり・・・・・・前につくった人工的な皮と経歴を与えよう。」

「ありがとうございます。東條さん!!・・・・・・・・よし、これで貧乏生活からお
さらばだ!!」

「さぁ、さっそくそれをつけてくれ!!」

吉成はそれを身につけると今の年齢よりも十五歳ほど年老いた。

「お前の顔に合わせて作った皮だ。だいたい三十五歳ほどだろうな。どうだ!貫禄があ
りそうだろ!!」

「はい、ありがとうございます。」

「そして最後に経歴のほうだな・・・・・・・。以前、木崎と作ったこの玉でお前を偉
くしてやろう。」

玉から光が放ち、吉成に当たった。

「お前は・・・・・・今日から医者だ・・・・・。」

東條はそう呟き、吉成に催眠をかけた。目覚めた吉成は医師のように落ち着いたような
風格をしていた。

「ふふふ、この木崎の開発した催眠効果のある玉も便利だな。二重に皮を被ったものし
か効果が期待されないから、使いどころがあるぜ・・・・・・・はははは。」

そして空間が歪み捩れていくのを感じた。そして再びもとの場所に戻った・・・・・・。

私は・・・・・・・いや、俺は今までのこと・・・・・・・・自分が木崎であることを
思い出してしまった。

「よぉっ、木崎・・・・・・・ようやく目覚めたようだな。」

周りには誰もおらず、俺と東條の二人だけだった。東條はベッドに寝込んでいる俺に話
しかけた。

「東條・・・・・・お前・・・・・・・周りの人はどうした?」

「ああ・・・・・彼らなら、この催眠の玉でもう一度催眠にかけたところだよ。」

「・・・・・ということはお前!!」

「ああ、そうだよ・・・・・・彼らもまた皮を被っていたのさ。・・・・・おまえにもこ
れから催眠をかけるところさ。」

「なんだと・・・・・・。」

「本物の涼子の骨が再生されてお前の元々の骨が出てきたことだし・・・・・・・意識
のほうも完全に涼子にしてやろうじゃないか。」

「ふざけるな!!なんで俺が!!」

「ふふふ、体力はそんなに残ってないんだ。大人しくしたほうがいいぞ。・・・・・・・
じゃあな・・・・・・・木崎・・・・・・・・・。そして・・・・・・おはよう・・・・・
・・・・・・・涼子ちゃんっ!!」

東條は玉をかざし光に包まれた。

「やっ・・・・・・やめろおおおおおぉぉぉっ!!!」

そして次に目覚めたころには俺は完全に涼子だと思い込むようになってしまった。




それから五年後・・・・・・・。

「じゃあ、今日、帰り遅くなるから!!」

「うん、いってらっしゃい、あなた。」

「パパ、いて・・・・・ら・・し・・・や・・い。」

「うん、いってくるね。」

こうして俺はずっと涼子としての子供を身ごもり、家族団欒彼女の平穏で
温かい日々を送り続けた。

俺の・・・・・・・もとの意識が戻ることは永遠になかった・・・・・・・。俺は完全
に涼子になってしまったのだから・・・・・・・・・・・。





―私の中の異物(完)―




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主治医である吉成が私を励まし、さっそくオペが始まった・・・・・・。
オペは普段のように順調に進められた。

だが・・・・・・。

「東條さん、深呼吸・・・・!!」

私は深呼吸して力を解す。

すると・・・・・・・。私のお腹の中から出てきた・・・・・。
だが、それは赤子ではなかった。

「・・・・・なっ・・・・・・なんだ!!これは!!」

誰もが皆、それを見て驚愕した・・・・・・・・。

それは・・・・・・・・赤子とはまったくの異質の物・・・・・・人間の死骸だったのだ・・・・・・・・。
時間が大分経過しているせいか、それはミイラの状態になっていた。

周囲の人たちはこの信じ難い光景を目の当たりにし、ただ呆然と立ち尽くしていた。私は
そのとき身体が一気に軽くなるのを感じたのだが、私のお腹の中から出てきた『この異物』
を目の当たりにしてしまい、私は一種の不快感に襲われてしまった。

「こっ・・・・・これは・・・・・・いったい・・・・・・・とりあえず・・・・・・
違うところに移そう。」

主治医の吉成はそれを見て驚愕していた。
その後、私のお腹の中から出てきた『異物』は一気にお腹から取り出されもうひとつ別の
ベッドに移した。

医師、看護婦たちは吉成の指示でその『異物』であるミイラをすぐに別のベッドに移した。

当然だがそれは男女の区別が付かなかった。さらには異臭がし不快感をさらに漂わせた。

「私が連絡するから、あとは頼む。」

吉成は他の医師や看護婦にそう告げて警察等に連絡するために部屋を出たのだが
・・・・・・・そのとき・・・・・・。

「なんだ・・・・・・君は?」

扉が開き誰かが入ってきた。私は顔を見るとそれは・・・・・・・。

「昭弘さんっ・・・!!」

そこには彼の姿があった。彼はナイフを手にし吉成の首下に突きつけた。
とても信じられない光景だった。

「君・・・・・何をするんだね!!」

「少し大人しくしてもらおうか。」

「昭弘さん・・・・・・なんで・・・・・!!!」

「ん?なんでだと?本当に忘れてしまったようだな。まぁ、いい。教えてやるよ・・・・・・
。七年前の真実をよぉ・・・・・・。」

あんなにやさしかった昭弘さんが人を殺すかのような目つきで私のほうに視線を交わした。
その中で私は彼の心の底に隠れている凶器を感じ取った。彼のこんな表情は今までに見
たことがない。これは・・・・・・いったい・・・・・・。

そのとき、彼はズボンのポケットの中からビー球ほどの大きさの半透明色の玉を取り
出した。そして、それを彼は左手で力強く握ると辺り一面、光に包まれた。

周囲にいる医師や看護婦の姿は光の眩しさにより視界を徐々に遮るかのように見えなく
なってしまった。私はあまりもの眩しさにより目を閉じてしまった。




そして・・・・・・気が付くと・・・・・・・私は人気のない廃ビルと廃ビルの間に挟
まれた狭い道の真ん中に、ぽつんと一人で立っていた。時刻は夜の八時頃だろうか。辺
りは静寂な闇に包まれていた。

私はこの場所に見覚えがあった。ここは昔、私の通っていた高校まで近道だったのだ。
道の改装工事を行っておらず、非常に危険な道でありあまり人が通らなく、私もたまに
しか利用する程度だった。

そういえば、あのときもこの道を通ったような気がする・・・・・・・。
七年前に起きたあの悪夢のような日の出来事が・・・・・・。

と、そのとき・・・・・・前方から誰かが歩いてきた。姿を見るとベージュ色のブレザ
ーに赤いリボン、赤と紺色の入り混じったチェック柄のプリーツスカート、黒のソックス、
茶色の鞄を持ったポニーテールをした黒髪の少女だった。

その少女には見覚えがある。それは紛れもなく私なのだ。
私は彼女に近づこうとしたのだが身体が透き通ってしまい触れることが出来なかった。

彼女に声をかけようとしたのだが私の姿が見えないようで対話をすることが出来なかった。

と、そのとき、別の方向に男性二人が歩いてきた。彼らは高校生だった「私」のいる方
向に歩いてくる。

彼らは何かを話している。いったい・・・・・なんだろう・・・・・・。私は彼らに近
づいた。すると私は彼らの姿を見てしまった。なんと、そこには若い頃の彼・・・・・
昭弘さんと写真に写っていた木崎という男性だった。

私は彼らのことが気になり話を聞いてしまった・・・・・・・。

「ははは。今日のプレゼン上手くいったな。ようやく俺らの研究が認められるときがき
たんだ。なぁ、東條。」

「ああ、そうだな・・・・・・。だけど、木崎・・・・・・受賞が与えられるのは一人
だけなんだよな。」

「ああ、そうさ。・・・・・・・俺が代わりにとってきてやるよ。・・・・・・・いや、
なんせ、全部俺のおかげだよな。」

「ああ・・・・・お前には感謝してる・・・・・・・。ありがとよ・・・・・・・。
だから・・・・・・・・・。

そのときだった・・・・・・・。

ぐぐっ!!

彼がズボンのポケットに隠し持っているナイフで木崎という男の胸に一突きした。

「ぐぐっ・・・・・・・なっ・・・・・・・なにするんだ・・・・・・東條・・・・・・。」

「悪いな、木崎。俺はこれからもずっと偉くなりたいんだ。だから賞は代わりに頂くぞ。」

「東條・・・・・・きさまぁ・・・・・・!!!」

「一応、感謝はするさ。ありがとよ・・・・・・相棒・・・・・・・。そして・・・・・・
・・・・・さようなら・・・・・・。」

「きゃっ・・・・・・・・きゃあああああああ???!!!」

高校生の「私」はその現場を目撃してしまい、恐怖のあまり震えながらも大声で叫んで
しまった。それにより彼は瞬時に「私」のほうをみた。

そして・・・・・・・・。





「ねぇ、ここに写っている男性って誰なの?」

私は彼の昔のアルバムを取り出して彼の隣に写っている男性を指差した。

「ああ、それは木崎っていう昔の研究仲間だよ・・・・。」

「へぇー、そうなんだぁ?。彼は今はどうしてるの?」

「・・・・ああ・・・・あいつは・・・・・7年前から行方不明なんだ・・・・・。」

彼は笑いながら穏やかな表情で話してくれたのだが目は笑ってはいなかった。今までに
見たことのない鋭い目をしていた。

「・・・・そっ、そうなんだぁ?。じゃあ、このアルバム片付けておくね。」

「・・・ああ・・・・・ありがとう、涼子ちゃん。ああ、それと今日、夕方から大学に
行かないといけなくなったんだ。少し遅くなるから晩御飯、一人で食べていいよ。」

「仕事なら仕方ないよね・・・・・帰るの待ってるよ。」

「ありがとう、涼子ちゃん。じゃあ、行ってくるよ。」

そうして彼は家を出て大学へと向かった。私はそのまま家事をしながら彼が帰ってくる
のを待った。

そうしているうちに時が過ぎいつのまにか22時になっていた。だが、彼は未だに帰っ
てこない。料理を作って待ち続けたのだが23時・・・・・・24時・・・・・と時間が
経過したのだが彼は帰ってくる気配はなかった。

私はリビングテーブルに座ったまま眠くなり寝込んでしまった。

すると・・・・・・。

『・・・・・・すけてくれぇ・・・・・・助けてくれぇ・・・・・・ここからだしてく
れぇ・・・・・・。』

いつものように声が聞こえる。私が妊娠してからずっとこの調子である。それは夢の中
でいつも聞こえている・・・・・ある映像とともに・・・・・・。

私が高校3年生のときに強姦魔に襲われているときの映像だ。強姦魔の顔はぼやけており
よくわからない。黒いフードをまとった男性が二人映っており何かを話している。口論
しているようだ。だけど会話の内容は聞き取れない。なんていっているのかさっぱりわ
からない。そのとき彼らは私に気づき私に近づいた。

・・・・と、そこで映像が消えてしまった。

「おっ・・・・・・おいっ・・・・・・りょうこちゃん!!・・・・・・涼子ちゃん!!!・・・・・・
・・・・・大丈夫か・・・・・!!!」

私はその声で目が覚めた。そこには彼がいた。

「良かったぁ。目を覚ましたようだね。涼子ちゃん。結構うなされていたようだけど・・・・
・・・・・何か悪い夢でも見たのかな。」

「んーん・・・・なんでもないの・・・・・ちょっと疲れてるだけかな・・・・・。」

「そうか・・・・・ゆっくり休むといいよ。お腹にいる僕との赤ちゃんのためにもね。」

「ありがとう・・・・・・昭弘さん・・・・・・。」

その日以来、なぜかあの悪夢を見ることはなかった。私たちはそのまま順調にいっていた。
それからしばらく経ったある日、私は出産の日が近づき病院に入院することとなった。




昼間の病院の一室。誰かが部屋に入ってきた。
私は起き上がり姿を見た。

「東條さん、診察のお時間ですよー。」

一人の看護婦が私の元に訪れ診察室へ向かった。

「失礼しまーす。」

「どうぞー。」

私はそう言い、診察室の中へ入った。

「東條さん、こんにちは。それじゃあ、これから診察を始めるよ。」

50歳くらいの男性医師が私を診断し始めた。彼は吉成という私の主治医であり、とて
も面倒を見てもらっている。

「うん・・・・・どこも異常がないね。お腹の子も順調のようだよ。」

「ほんとうですか。いつもありがとうございます。」

「うん、スクスク育って順調のようだな。このままいくと安産かもしれないな。」

「ありがとうございます。どうも失礼しました。」

私は心の底から喜びで満たされた気分になり笑顔で病室へ向かった。
病室で自分のベッドに横になろうとすると再び看護婦がやってきた。

「東條さん、旦那さんがお見えですよ。」

「やぁ、涼子ちゃん。」

すると、看護婦に付き添わられて彼が現れた。

「どうしたの?昭弘さん、今日は仕事じゃなかったっけ?」

「ああ、そうなんだけど、なんだか心配でね。会いたくなったのかな。」

「そうなの。私のために・・・・ありがとう。でも大丈夫だよ。お医者さんに見てもら
って・・・・・お腹の子もスクスク成長しているようだよ。」

「・・・・そう、それはよかった。」

彼はどこか浮かない表情をしていた。私の気のせいだろうか。
私はそれから彼と話しをした。そうしているうちに夕方になってしまった。

「あっ、もうこんな時間か。」

「そうだね・・・・・もう・・・・こんな時間にっ・・・・!!」

私はいきなり身体が苦しくなった。お腹のほうが苦しい。
まさか出産が来てしまったのか。たしか予定日は2週間あとのはずなのだが・・・・・。

「あああっ・・・・・・ああああっ!!!」

私は部屋いっぱいに響く悲鳴をあげた。

「東條さん、大丈夫ですか?いますぐ医者を・・・・・!」

偶然通りかかった看護婦たちに発見され私はそのまま手術室へ搬送された。

「東條さん、しっかり気をもって・・・・・!!!」

主治医である吉成が私を励まし、さっそくオペが始まった・・・・・・。
オペは普段のように順調に進められた。

だが・・・・・・。

「東條さん、深呼吸・・・・!!」

私は深呼吸して力を解す。

すると・・・・・・・。私のお腹の中から出てきた・・・・・。
だが、それは赤子ではなかった。

「・・・・・なっ・・・・・・なんだ!!これは!!」

誰もが皆、それを見て驚愕した・・・・・・・・。

それは・・・・・・・・。




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