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(パラレルの)聡の生身の肉体は粒子状に分散され完全に消滅してしまった。
だが……

「危ないところだった。あいつの鎌で身体を傷つけられると生身の肉体でも消滅するのか…」

聡は霊体となって消滅寸前のパラレルの聡の身体から脱出していた。

「ああ、もうひとつの俺の身体が消えてしまったか。奴隷A…いや、もうひとりの俺。結構良い身体
だけに惜しかったな…。家に帰ったら霞ちゃんと今日も楽しみたかったのに。残念だ」

聡は気分が少し落ち込んだのだが、とりあえず薬を持ってここから出ることを優先した。
だが、霊体となってしまった聡には薬の入った紙袋を長距離で持ち運ぶことは困難だった。せめて
そこら辺に生身の肉体か何かがないか調べたのだが何もなかった。

ただ、理科室に置かれている人体模型のようなものなら置いてあった。

「生身の人間の身体じゃなくても憑依できるのかもしれない。試してみよう…」

聡は人体模型に身体を重ねた。すると、すんなりとそれで身動きが取れるようになった。

「うむ、どうやら上手くいったみたいだな。薬を持ってここから出よう」

人体模型(聡)は灰色のフードを被り身を隠し、薬の入った紙袋を持ち外を出た。人体模型としての
身体を動かすにはいろいろと負荷がかかるため、外に出たらすぐに別の素通りしている人間の身体に
憑依し、紙袋を持ち運んだ。

また、鎌で斬られたことにより聡の霊体にも傷があり憑依能力が低下したため他人の身体に憑依しても
その人の魂に押され長時間同じ身体に留まることができなくなっていた。そのため身体を10~20分
間隔で別の身体に移し替えながら霞の家へ向かった。

身体はOLに始まり、女子大生→中年男性→女子高生→老人→女子中学生→20代男性→中年女性・・・・
と身体を行き当たりばったりで無差別に移し替えて目的地へ向かった。

そして・・・・

「はぁはぁ…。ようやく着いたか」

聡は最終的に女子高生の身体に憑依し霞の家に着いた。その後、霞の母親の歩に憑依し、さっそく霞
の部屋へ入って行った。

「霞ちゃん…ただいま。帰ってきたよ」

歩(聡)は紙袋を机の上に置きさっそく霞の口に深いキスをして霞の身体に憑依していった。
霞の身体には魂が入っておらず目覚めることはない。聡が留守の時は抜け殻状態なので他の生きた
人間の身体と違ってその人の魂に抵抗されることもなく、常にその身体にいることができるのだ。

「はぁ…。この身体はどんな傷口でもすぐに癒してくれる」

魂の入っていない霞の肉体は聡の魂をすんなりと受け入れた。

「さてと…。傷が癒えるまでこの身体から出ないぞ。それにあまり危険なところには行かないように
しよう」

霞の身体に戻った聡はそのままベッドで眠り始めた。


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